ホロジックジャパン株式会社

TOP > “ホロジック世界ウィメンズヘルス指数”発表メディアセミナーレポート_パネルディスカッション

Media Seminar Report

メディアセミナーレポート

「女性の元気は、日本を変える
~私だけの花を咲かせるために、いまできること~」

“ホロジック世界ウィメンズヘルス指数” 発表メディアセミナー

ホロジック世界ウィメンズヘルス指数

ホロジックジャパン株式会社は、「ホロジック世界ウィメンズヘルス指数(Hologic Global Women’s Health Index)」の日本調査結果発表にあたり、2022年3月8日国際女性デーに合わせてメディアセミナーを開催しました。

世界ウィメンズヘルス指数2020年調査レポートに関するスピーチはこちらよりご覧ください。

セミナー前半は日本の女性を取り巻く課題の各分野で先頭に立ち、変化を推進されている先生方にスピーチをいただきました。(プログラムはこちら)

後半のパネルディスカッションでは、本調査の結果から見えてくる、日本女性の健康に関する課題とともに、女性の社会進出、少子化問題についても踏み込み、女性が生きやすい社会にしていくために何すべきか、また何を変える必要があるか、についてディスカッションを行いました。

スピーカー:

対馬 ルリ子様 (医療法人社団ウィミンズ・ウェルネス 理事長 産婦人科医師)

塚原 月子様  (株式会社 カレイディスト 代表取締役)

関根 麻里様  (タレント)

司会:町亞聖様

※自見はな子様 (参議院議員 医師)【コメントによるご参加】

パネルディスカッション

「女性の元気は、日本を変える~私だけの花を咲かせるために、いまできること~」

ディスカッション① 日本の調査結果と課題について

【司会(町亞聖さん)】(以下、町)

日本の課題を可視化することは大事だと思います。女性活躍が叫ばれて等しいですが、当事者の声無くして政策の立案はありえず、女性だけに限らずですが、データに基づいた議論をすることで、女性のヘルスケアの向上につなげていければと思います。
調査全体での日本の結果を見ると、日本では質の高い医療をどこでも受けられる、これは妊娠中も質の高い医療を受けられているという数字になっていました。グローバルランキングを見ると、116か国中24位と悪くはないですが、予防医療に限って見ると91位とかなり低い結果になっています。病気になったとき医療が頼りになる、ということも一因のひとつかもしれないし、ご講演で対馬先生のお話にあったように、知識、情報が足りていない、ということもあるのではと思います。性感染症の検査を受けたかどうかに関しても大きく数値が下回っていてこれも気になる数字ではないかと思います。HIVを含めた性感染症に関して、欧米では感染者数が減っているのに、日本では減っていない、という状態が20年ほど放置されているという現状がありました。対馬先生は現場で若い女性の相談を受けていらっしゃると思いますが、この性感染症の結果も含めて、どのように調査結果を受けとめられましたか?

【対馬先生】(以下、対馬)

やっぱり、予想どおりという印象でしたね。日本の女性はよほどのことがないと病院には行かないし、病院になるべく行かないことが大事だと思っているかなと思います。普段から健康診断や検査を受けて自分の状態をチェックしておくことが大切ですが、若い人たちは自分たちの身体のリスクについて知らないと思います。例えば子宮頸がんや予防ワクチンのことも教育を受けるチャンスがなく、大学生になっても、社会人になっても、そのまま教育を受けるチャンスがなく、知らないでいるのだろうと思います。

町:

情報はあふれているし、簡単に手に入ると思うのですが、それでも必要な情報が届いていないということなんでしょうか。

対馬:

今は新聞よりSNSで情報を得るようになっていますが、リテラシーの問題もあって、偏見とかフェイクニュースをそのまま信じていたりします。情報を読み解く力が大事だし、何が正しくて、何が自分にとって大事な情報かを教えてあげる専門家や機会が必要です。情報を得るためだけでもいいのでクリニックに来てもらいたいなぁと思ったりします

町:

気軽に相談できる場にもなって欲しいなと思いますね。クリニックって婦人科系だとどうしても行きづらかったり、、というのがありますが、そのハードルを下げることも必要ですね。

対馬:

もちろん。昔の人は10代から妊娠したりしていたかもしれないけど、今は本当にみんな30代が多いですからね。親の世代が婦人科行くなんて、と言ったりもしますし、もうちょっと、友達のようになれたらいいのにな、美容院のようにときどき来てくれる場所になれないかな、といつも思っています。

町:

対馬先生のような先生が増えるといいなと思います。初めてのお子さんを妊娠する年齢が上がってきているというお話しもありましたが、これはある意味で女性の社会進出が進んでいる、ということの裏返しでもあり、その中で育児・介護の負担は相変わらず女性にのしかかっているという現状もあるのかなと思います。
今回の調査では、所得に関係する気になる結果もいくつか出ています。
所得格差は健康格差にもなるということは以前から言われていましたけれども、塚原さん、ダイバーシティなど、女性を支援する活動をされていますが、どう調査結果を見られましたか?

パネルディスカッション

【塚原様】(以下、塚原)

賃金格差もそうですが、予防医療がとても低い水準だったのは、健康課題に対する認識(アウェアネス)があまりない、ということではないでしょうか。情報にアクセスして知識に触れる、というハードルがまずありますが、そこで知識に触れたとしても、それが自分に関わりのある重大なことだと思えるかどうか。その課題認識ができていないのかなと思うんですね。日本には色々な男女の格差が残念ながらあると思うんですけれども、その中でも私が懸念しているのは意思決定に関わるところでの男性と女性の格差が大きいかなと。男性の目線で課題が抽出される一方、意思決定に関わる女性が少ないがゆえに女性の視点に基づく課題認識が社会の中で大きな声になって上がってこなければ、この話は女性である私にとってきっと大したことではないんだろう、と思ってしまうような場合も多いのかなと。意思決定における男女格差がこういった結果につながっているのではと私の立場からは見ていました。

町:

意思決定のところはやはり、まだここは女性がなかなか進出していない部分ですよね。役職につくだけではなく、女性の声が社会や組織の中で届くようになって欲しいなと思います。
日本では高齢化だけではなく少子化も以前から大きな問題です。いま日本では出生率が1.34%ということで、出生率が2.07を越えなければ人口は自ずと減っていくということになります。先日韓国では1を切るという衝撃的なニュースもありました。実は自見はな子先生から、この少子化に関して事前にコメントを頂いております。

町:【自見先生コメント代読】

少子化対策で重要なことは2点あります。少子化を文脈で語るとき、実は結婚してから生まれてくる子どもの数は、1970年代から現在まで約2人前後(現在は1.94)で推移しており、大きくは変わっていません。今の少子化だけを見た場合、晩婚化と未婚化が圧倒的な原因となっていて、克服するためには結婚支援を熱心にする必要があると考えています。世帯所得の低下が結婚できない大きな要因になっているため、若者世代が子育てにお金が使えるような社会の仕組みにしていくことが大切です。また離婚した後の養育費の問題もあり、シングルマザーの方々が貧困に陥るということも顕著になっています。結婚がリスクだという社会を改善していかなくてはいけないと思います。
二つ目はプレコンセプションケアをいかに進めていくか、は非常に重要な論点です。女性の心と体の年齢による変化や妊孕性について、事業主や男性も含めた社会全体の理解を深めていくことです。また、女性が妊娠・出産を望むのであれば実現できる、更年期についても理解を深めていく、こうした議論がこれからの仕組みの中で重要な論点になっていくと思っています。

町:

関根さんはいま6歳と2歳の2児のお母さんになられていますよね。お母さんは自分のことは後回しになってしまうことが多いと思いますが、関根さんはどうですか?

【関根様】(以下、関根)

私は自分の健康に関して気にかけていて、20代から定期的に検診を受けています。自分の軸となる数字、データが分かると、何かあったときにそこに戻って見られるので。妊娠中は妊婦検診があるので定期的に行っていても、出産後となると、それよりは娘の健康の方を優先して、思い返せばそれほど行けていないかもしれません。自分が元気でないと家族も元気でいられないとはわかっていても、前ほどの頻度では行けていないかなと思います。私は出産した時に素敵な助産師に会うことができたんです。出産の時にも励ましや暖かい言葉をいただき、「ママも同じゼロ歳だからわからなくてあたりまえ。一緒に成長していくもの」という言葉をもらって肩の荷がおりました。育児は「育自」でもあるという教えで。友達のように気軽に相談しています、周りのママ友の中にはそれができない方もいて、アメリカに住んでいる友人の話を聞くと、アメリカと比べメンタルヘルス、カウンセリングが日本ではまだハードルが高いのかなと感じました。日本でもこういうことに関してもっとオープンになるといいのではと感じています。

町:

素敵な助産師さんに出会えたということで、関根さんは仕事復帰されていますが、色々とご苦労されていることも相談したりされているんですね。

ホロジック世界ウィメンズヘルス指数