ホロジックジャパン株式会社(本社:東京都文京区)は、日本で展開する核酸増幅法(TMA法)の自動検査装置パンサーシステムにて使用可能な体外診断用医薬品として新たに、B型肝炎ウイルス(HBV)およびC型肝炎ウイルス(HCV)の定量測定が可能な「アプティマ® HBV」および「アプティマ® HCV」の2製品の販売を11月1日に開始します。両製品による検査はそれぞれ本年6月2日、7月1日に保険適用となっております*1*2。
両試薬は、全自動遺伝子検査システム「パンサーシステム」において、PCR法と同じ核酸増幅法のひとつであるTMA法によりそれぞれHBV、HCVの測定を行います。HBVおよびHCVは感染後、慢性肝炎、肝硬変と進行し、肝臓がんの発症につながります。日本国内ではHBVキャリア数は約110万~140万人、HCVキャリア数は約190~230万人と推測されており*3、感染確認や治療のモニタリングにおいて核酸増幅法が使用されてきました。
アプティマ® HBVおよびアプティマ® HCVは既存の検査フローにおいて従来の核酸増幅法と同様の検査に使用頂けます(精度は同等)。2時間40分で対象のHBV、またはHCVの定量が可能になり、一日最大で1000検体が測定可能です。複数アッセイを同時に測定することが可能なランダムアクセス機能、ハイスループット測定といった「パンサーシステム」のメリットを生かすことで、少量の検体でも複数の項目を測定したいという要望がある施設、大きな装置導入のスペースがない中規模、小規模の施設でも、核酸増幅検査導入の選択肢が広がります。
ホロジックジャパンはこの試薬により、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、クラミジア/淋菌(CT/GC)、HIV-1といった既存の体外診断用医薬品のラインナップをさらに増やし、パンサーシステムの高い拡張性を活かした臨床における核酸増幅検査の新たなソリューションを提供します。肝炎ウイルスの検査への貢献とともに、新たな遺伝子検査法の提供を通じて感染症分野を含む臨床検査の進歩に寄与して参ります。
[製品情報]
承認番号:30200EZX00028000
使用検体:血清/血漿
発売日:2020年11月1日
保険適用日:2020年6月2日
対応機種:パンサーシステム
承認番号:30200EZX00016000
使用検体:血清/血漿
発売日:2020年11月1日
保険適用日:2020年7月1日
対応機種:パンサーシステム
[製品写真]
アプティマ HBV / アプティマ HCV
*1 D023微生物核酸同定・定量検査 (3)「4」のHBV核酸定量は、分岐DNAプローブ法、TMA法又はPCR法による。また、B型肝炎ウイルス既感染者であって、免疫抑制剤の投与や化学療法を行っている悪性リンパ腫等の患者に対して、B型肝炎の再活性化を考慮し、「4」のHBV核酸定量を行った場合は、当該治療中及び治療終了後1年以内に限り、月1回を限度として算定できる。
*2 D023微生物核酸同定・定量検査 (13)HCV核酸定量 ア「13」のHCV核酸定量は、分岐DNAプローブ法、PCR法又はTMA法と核酸ハイブリダイゼーション法を組み合わせた方法により、急性C型肝炎の診断、C型肝炎の治療法の選択及び治療経過の観察に用いた場合にのみ算定できる。
*3 厚生労働省肝炎対策国民運動事業 「知って、肝炎プロジェクト」https://www.kanen.org/about/kensa/
[TMA法について]
TMA法(Transcription Mediated Amplification)はPCR法(polymerase chain reaction)と同じ核酸増幅法のひとつで、逆転写酵素とRNAポリメラーゼ(RNA合成酵素)を利用することで等温下で標的の核酸を大量に増幅させます。感染症などの検出系への応用を目指して開発、実用化された核酸検査法です。
例えば、ホロジック社のTMA法による試薬を用いた子宮頸がんにおけるHPV(ヒトパピローマウイルス)検査は、PCR法と同等の感度を有しつつ、高い特異度を示すことが報告されています*。
*J Cuzick et al., Comparing the performance of six human papillomavirus tests in a screening population. (https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3590662/)
[パンサーシステムについて]
~臨床における核酸増幅法の使用をより多くの施設で可能に~
「パンサーシステム」は、遺伝子検査の完全自動化を実現した、全自動の遺伝子解析装置です。 検体到着後、専用ラックに検体をセットし装置に投入するだけで、核酸の抽出・増幅・検出・結果報告までの一連の工程、および核酸増幅反応によって得られた核酸増幅産物の不活発化処理までを全自動で行います。最初の測定結果はHIV-1, HBV, HCVで2時間40分、他の項目では3.5時間で得られるほか、最大275検体を8時間、500検体を12時間で測定することが可能であり、オペレーターの作業時間を大幅に削減します。 またランダムアクセス機能により、単一のラック内であっても複数の検査項目を測定できるとともに、随時、検体を投入することができるため、それぞれの種類の検体を溜めて待機するなどの手間を省き、最適なワークフローを実現します。必要な機器類をコンパクトに集約した一体型デザインによりラボにおける設置スペースを有効に活用することが可能です。
[ホロジック社(Hologic, Inc.)について]
世界的な医療、診断分野のリーディングカンパニーとして最先端技術をお客様に提供することで全ての人と医療の現場に「より確かな安心」をお届けできるよう日々技術革新に取り組んでおります。ホロジック社(本社:アメリカマサチューセッツ州)は1986年に創立し、現在、約6,400人以上の従業員を抱える年間売上高3,400億円のグローバルヘルスケアカンパニーに成長しました。診断・遺伝子検査(Diagnostics Solutions)、マンモグラフィ・骨密度測定(Breast & Skeletal Health Solutions)、婦人科用外科手術(GYN Surgical Solutions)、の3つの分野を主要領域とし、“The Science of Sure”を企業理念とし、臨床的成果を向上し、より革新的な製品開発を実現するために、継続的な成長を目指して取り組みます。
[ホロジックジャパン株式会社について]
2002年にアメリカの体外診断薬・機器企業Third Wave Technologies社の日本支社として設立。2004年株式会社サードウェイブジャパンへ改組、2012年10月にホロジックジャパン株式会社に社名変更し、体外診断用医薬品・医療機器、マンモグラフィシステム、乳房生検装置などを主力事業として活動しています。
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