2020年6月18日
ホロジックジャパン株式会社(本社:東京都文京区)は新型コロナウイルスの検出を行う研究用試薬「Aptima SARS-CoV‐2」を販売開始いたします。本試薬は弊社の全自動遺伝子検査システム「パンサーシステム」において、PCR法(Polymerase Chain Reaction)と同じ核酸増幅法のひとつであるTMA法(Transcription Mediated Amplification)により新型コロナウイルスの検出を行います。新型コロナウイルスは2019年12月に最初の感染例が報告されてから、その感染は世界中に拡大しています。
日本でも新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)に対して緊急事態宣言が出されるなど、国家的な対策が取られていますが、PCR検査数の不足が指摘されております。
この試薬は「パンサーシステム」を用いることで検体処理から遺伝子解析まで全自動で新型コロナウイルスの検出することが可能な研究用試薬です。同試薬を用いることでCOVID-19が疑われる患者検体を一日に1000検体測定可能になります。
このパンサーシステムは既に日本で子宮頸がんの原因ウイルスであるHPV(ヒトパピローマウイルス)、性感染症である淋菌・クラミジアの遺伝子検査を目的として、大手検査センターをはじめとした施設で約35台が稼働しています。
本試薬は国立感染症研究所が6月10日付で公開した「臨床検体を用いた評価結果が取得された2019-nCoV遺伝子検査方法について」に「独自の臨床検体を用い、感染研法との一定の一致率を示した遺伝子検査方法」として記載されました。翌6月11日付で疑義解釈資料の送付について(その16)(厚生労働省保険局医療課 事務連絡 令和2年3月9日)が公開され、新型コロナウイルス感染の有無を調べる検査法として保険の適用対象となりました。本試薬はパンサーシステムにおいて約3.5時間(核酸抽出行程含む)で新型コロナウイルスを検出することが可能な研究用試薬です。
ホロジックジャパンはこの試薬により新型コロナウイルスの検査数増加に貢献し、社会的混乱を引き起こしているCOVID-19の収束に寄与してまいります。
【製品概要】
お問い合せ先
ホロジックジャパン株式会社
ダイアグノスティックソリューションズ事業部
[TMA法について]
TMA法はPCR法と同じ核酸増幅法のひとつで、1細胞に1個のDNAの遺伝子よりも数千コピー存在するRNAの遺伝子をターゲットにしています。感度を必要とする感染症などの検出系へ応用することを目指して開発、実用化された核酸増幅法です。
例えば、子宮頸がんにおけるHPV(ヒトパピローマウイルス)検査において、ホロジック社が提供するTMA法を用いた試薬は、PCR法と同等の感度を持ちながら高い特異度を示すことが報告されています*。
*J Cuzick et al., Comparing the performance of six human papillomavirus tests in a screening population. (https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3590662/)
[COVID-19の保険適用について]
Aptima®SARS-CoV-2は、厚生労働省から公表されている疑義解釈資料の送付について(その16)(厚生労働省保険局医療課事務連絡令和2年3月9日)の通り、令和2年6月11日付けでSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)核酸検出を実施する際に用いるものとして、「国立感染症研究所が作成した「病原体検出マニュアル2019-nCoV」に記載されたもの若しくはそれに準じたもの」に該当する**、として保険適用されています。
**保医発0305 第1号
[ホロジック社(Hologic, Inc.)について]
世界的な医療、診断分野のリーディングカンパニーとして最先端技術をお客様に提供することで全ての人と医療の現場に「より確かな安心」をお届けできるよう日々技術革新に取り組んでおります。ホロジック社(本社:アメリカマサチューセッツ州)は1986年に創立し、現在、約6,200人以上の従業員を抱える年間売上高3,100億円のグローバルヘルスケアカンパニーに成長しました。診断・遺伝子検査(Diagnostics Solutions)、マンモグラフィ・骨密度測定(Breast & Skeletal Health Solutions)、婦人科用外科手術(GYN Surgical Solutions)、の3つの分野を主要領域とし、“The Science of Sure”を企業理念とし、臨床的成果を向上し、より革新的な製品開発を実現するために、継続的な成長を目指して取り組みます。ホロジック社はCOVID-19に対して、アメリカ保健福祉省による要請・支援を受けて開発した検査試薬により、検査数の増加に貢献して参りました。ホロジック社はさらなる検査貢献のため、PCR法と同じ核酸増幅法のひとつであるTMA法をベースにした研究用試薬を開発し、発売を開始致しました。
[ホロジックジャパン株式会社について]
2002年にアメリカの体外診断薬・機器企業Third Wave Technologies社の日本支社として設立。2004年株式会社サードウェイブジャパンへ改組、2012年10月にホロジックジャパン株式会社に社名変更し、体外診断薬・機器、マンモグラフィシステム、乳房生検装置などを主力事業として活動しています。